試験的にサブタイトルを導入。やめるかも。
3月11日 Party!!
件のタイ人からメッセージ。
君の為のパーティだ。
いつもの人ともう1人来て、名前が分からないがKing Gnuの井口理をタイ風にした感じだった。
600バーツ(約2500円)で海鮮食べ放題。いくつになっても食べ放題で心躍る人でありたい。
蟹とかは日本で食べる種類の方が美味しいかな~って感じだったけど、とにかくシャコが美味い。(↓網にいっぱい載ってるやつ) しかも1匹あたりの可食部が小さいので食べ放題に向いている。井口はずっとコーラと蟹を往復する永久機関になっていた。
タイのソースで食べるのが常道らしいが、コーナーの隅にひっそりと置かれた醤油を見つけてからもうずっとそれで食べていた。こちらに来て初めのうちは「郷に入っては~」というスタンスだったが、もういいかなという気持ちになってきている。はよかえりて~。
3月12日 偉い
最近友達と通話すると「俺って偉いな〜」と一回は口にしている気がする。あんまり相手にしたくない口癖である。
実際、初海外でスケジュールの立てられ方等は杜撰だったが、宿はそれなりの好立地に洗濯掃除は全てお任せ、仕事も土日休みで何か責任を負う立場には無いので、過酷という程のものでもない。ただ色々リスクは有ったと思うし、時期と状況的に断れるなら断りたかったのも確かである。
来る前に「会社の金で海外旅行行くようなもんだからさ」みたいな事を言われたのはまあまあ癪だった。上の立場からしてみれば生意気にも不満ぶーたれの新人を一応宥めようとしているのだろうが、雑に扱っても壊れない戦士の働きで回してきた業界のサバイバー達だけに、ご時世柄甘ったれるなとは言えずともこんなの苦労のうちに入らないと安く見積もってやがるのを感じる。
大学生の新歓の時期に、
「別に同じ入試を通ってきた先輩でも『よくあの数学解いて入ってきたね』みたいな事言ってくれる人の方がいいのにね」
みたいなツイートを見かけたのを覚えている。当時は全然引き出しに無い発想だったので「相手に共感する話し方ってそういう出力もあるのか」と気色の悪い学習をした記憶がある。なんとなく嘘ついてるような感じがしてやりたくない人もいるんだろうけど、最近の私はまあそういう小手先も必要かなあという立場を取っている。
要するに、謙虚なのも結構だが自分の手柄や苦労を過小に評価しても仕方がないという話。自分に厳しい人間はどうせ他人にも厳しくなって碌なことがない。放り込まれた環境の中で楽しみを見出してなんとかやっているのは自分自身の偉さであって、これが当たり前と思ってもらっては困るのだ。という事で意識して積極的に自分を褒める方向性でやっている。釈明は以上。
それぞれの人生にそれぞれの苦しみがあらあり、私は頑張っていて偉い
— 羊 (@ur173432401) 2024年3月8日
3月13日 いいから早く
タイといえばの奴で、体験していなかったのがマッサージである。タイにしばらく住んでいた親戚から、行きつけだったマッサージ屋を教えてもらう事が出来たので早速予約しようとしたのだが、なんかアロマオイルのマッサージがオススメらしい。大丈夫か?独身成人男性のオタクってアロママッサージに行ってもなんらか罪に問われないのか?と若干思ったがもう滞在期間も長くないので予約した。
全然いかがわしい店でないどころか、受付で「性的なサービスを提供する店ではないことを理解する。店員にセクハラをした場合は即座に退店させる。」という誓約書にサインした。一個隣の路地に行けばそういう店も幾らでもある所なので、色々トラブルがあったのだろうと察せられる。あとは集中的に揉んで欲しいところを書く欄もあり、肩がバキバキなので丸を付けた。
担当のおばさんに慣れた手つきで入口で足を洗ってもらった後、施術台のある個室に通される。これに着替えろという感じでパンツと布の塊を渡され、おばさんが出て行った。施術着かなと思って広げてみると袖もボタンも無くバスタオルのような四角い布だった。え、どうやって着るのか全然分からないぞ?となって後回しにしてパンツの方を先に履くと、こっちはこっちでスケスケの紙パンツだ。特に捻りなくちんちんが見えている。思い出されるのはサインした「店員にセクハラをした場合は即座に退店させる」の一文。料金を先払いして店をBANされるのはいくらなんでも嫌過ぎる。
どうするか思案している間にコンコンと扉がノックされる。最悪の事態を防ぐべく咄嗟に取った行動は、先ほどの布を身体にぐるぐる巻きにすることであった。ラブコメでしかお目に掛かれない光景、しかも私がそっちなのか。
入ってきたおばさんに「ハ, ハウ トゥ‐ ウェアー ?」とクソ情けない声で尋ねると、ニッコリ笑って「OK!OK!」と返された。怒られなくてよかったが、なにわろてんねん。そしてビシッと台を指さして一言、
「うつぶせ!」
という訳で日本語も達者な先生に無事マッサージしてもらった。正解としてはパンツだけ履いて、体の上に掛け布団のように布を被った状態のうつ伏せで待機していることだったらしいが、1人でその状態になるのもなんだか妙な話だ。
そして結局仰向け側の施術をする際に普通に布を引っぺがされた。お前など、セクハラのうちにも入らんという訳だ。タイという国の懐深さの前に屈した一日となった。
3月14日 旅の恥は
いつぞやの日記で書いた「若者」呼ばわりしてくる女性と、一緒にいた男性含め同じ日本人3人で食事。会話の煩わしさを、1人で入りにくい店に行けるという食欲が上回った。
何故か女性の男性陣に対する女性ウケ改善講座が開催され、楯突くほどの知見も無いので苦笑いしながら聞いていた。だがその「何故か」が、「前に2人で会った時にその男性が誘ってきたから」だった事を女性が暴露。それを受けてまあまあ酔っていた自分が「2人きりという前提での発言を、本人の前で恥をかかせるように開示するのは悪辣で誠意が無い」と猛反撃。想定外の刺客の登場によって勢いが一瞬止まるものの、「若者、意外と面白いねえ!」と復調。絶対に一軒目で帰るつもりで来たのに、何故か男性も上機嫌で二軒目に行くことに。最早ここに正気の人間は1人もいない。
二軒目。食事の写真に映る店がどんどん汚くなっているなどの指摘が寄せられたが、実際その通りで反論の余地も無い。今日は特に行くところまで行った感がある。歌舞伎町みたいな通りで路上飲みしているのだからトー横の人達と全く同じと言っても過言ではない。会話の内容も最早書きかねるレベルで終わっていた。
どういう流れでそうなったのかサッパリ覚えていないが、屋台にあったダイスゲームでそこら辺にいたタイ人やカナダ人と勝負。多少なりとも選択があるゲームだったので必死に考えていた気がする。スマホに彼等とのツーショットが何枚か入っていて、楽しそうだった。
最後は半分寝ていた女性をホテルのフロントまで介抱して解散。あの環境で寝られるのは才能だと思うが、早死にしそうでもある。
そして水飲む前に寝てしまう。大変愚か。
3月15日 沈
ただの二日酔いだろと思われるかもしれないが、明らかにその範疇を越えたクリティカルな腹痛が発生し、午後からカードを切った。多分屋台で飲んだ時の氷かなあ。帰ってから吐いて寝てを2セットくらいやったら回復した。
日本への一時帰国時に風邪を引いたり腹を下したりはあったが、ここまで休み無しできていた。ただ、このトライアル期間で私海外全然平気ですと思わせるメリットはこちらには全く無いので、その意味では盾にできる事案が出来てよかったという説もある。前日のことは口が裂けても言えないが。
3月16日 既視感
最後の週末。無性に海が見たくなり、ちょっと遠出することに。
デカい駅の隣の、
しょぼいホームから乗り込む。ちなみに駅のトイレが有料の癖に耐えられないレベルで汚く、初めて洋式があるのに拒否して和式を選んだ。
なんと150㎞の移動に44バーツしかかからないという破格の料金。ただしエアコンが無い。32℃。
東南アジアらしい景色が続く。
電車に揺られること四時間半、目的のホアヒン駅に到着。王族の避暑地とかがあったらしい。ほどよく寂れていて観光客は年配の白人がやたら多い。
美しく格好よく脚も速いため人より上の存在であるところの馬がいっぱいいる。金を払えば乗せてもらえるが今日はパス。
天気× 潮× で酷過ぎる写真しか撮れない。明日に期待。
やる事もないのでさっさとホテルに行く。
ホアヒンはそもそも海が大して綺麗ではない。入ってもいないが見た感じ内房並みの水質。ホテルのプールとかでくつろぐのがメジャーな楽しみ方らしい。久々に泳いだ。
夜は海沿いのレストランに行ってきた。
日没前で彩光が最悪の状態に。人のブログを見て、もしかしてみんな食事の写真とかちゃんとフィルターかけて上げてるのか…?と気になって入れたアプリを使って比較してみる。いかがでしたか? よく分かりませんでした…
夜は他に行くところもなくて部屋でビールを飲むだけ。綺麗なホテルだと思ったのに、虫の羽音で安眠を妨げられた。振り返ってみると館山にある高校の宿舎に行く時とやってることが似過ぎている。なんなんだ。
3月17日 渚のトロイメライ
ビーチが東向きなので日の出が見える事を期待して起床。知らぬ街の夜明け前は怖くもあり怪しい魅力もある。多分海が好きというよりは波打際が好きなのかなあと思う。
ひとしきり写真を撮り終えてやや寝ぼけたままに海岸線をしばらく歩き、「不可思議のカルテ」ごっこをするオタク。
というのも行きの電車ではずっと青ブタの原作小説を読んでいた。丁度「おでかけシスター」の巻まで読み終えたのだが、現在映像化されている中ではここが随一で面白いなあと思う。
この作者の他の作品は「さくら荘のペットな彼女」しか観ていないが、「何かを選択する、決断すること」は両作品に通底するテーマだと思われる。おでかけシスターで描かれた、主人公の妹・花楓が取った決断の気高さと、そこに至ることを納得させる構成を非常に気に入っている。翔子の話も良かったが、問題の解決が思春期症候群の手を借りず、人間の意志と行動によってなされたという点でよりこちらの方がより好みである。
劇場版で良かったのは、海を背景に花楓と卯月が会話するシーン。シリーズを通して海辺という舞台は、朋の告白、理央との花火、のどかの入水未遂、翔子との出会いと再会と極めて重要なシーンにたびたび活用されてきた。波打際は揺れ動く思春期の精神の象徴であり、これ以上逃げることのできない終着点の意味も持つ。(実際、物語は梓川兄妹が横浜市内から藤沢に引っ越す(逃げる)ところから始まっている) 昔読んだ漫画に「人は物語を求めて山を登る」という台詞があったが、海辺は物語に決着を付ける為の舞台と言える。
花楓は卯月(とその母親)との会話によって、記憶を失っていた間のペルソナ「かえで」の存在を受け入れるためのきっかけを掴み、それによって未来の選択を決めることになる。高校受験の際は教室から映っていたはずの海が目に入っていなかった(と兄の咲太が推測している)のに対し、今の外の世界に目を向けつつある花楓の周りには眩しい海が広がっている。その事を視覚的に強烈に認識させるカットはまさに小説を映像化した意義そのものであった。
と、まあ手元に視聴する環境が無い中うろ覚えであれこれ書いているが、単純に主人公の咲太が結構好きで、彼の頑張りが報われて嬉しいよという気持ちも大きい。小説の方は、受験の朝に咲太が早起きして妹のために朝食と弁当を作る場面が、一つ一つの工程を書いて読ませることで、映像より印象に残るつくりで良かった。
書き疲れたので以下手抜きの写真コーナー。
なかなかいい所だった。
振り返ってみると曜日別にライターが居るかのようなとっ散らかり具合。オタクの好きな作品語りパート以外はもう少し文量を圧縮したい。改善点。